本学び(2)では、経理部で「入金計上の早期化」に貢献した『業務フローチャート』の作成・活用事例をご案内いたします。
(先の投稿学び(1)では『営業開発のステップ』と称した「調査~契約締結に至るステップ(業務フローの文書化)」をご紹介いたしました。しかしながら、この業務フローには、既述しましたとおり、「入金計上」業務を活動範囲としておりませんでした(私の『営業開発』の定義は契約締結まで、その仕組み化(手順をマニュアル化)を『目的』と設定した)。組織再編によるリストラが進行する中、多くの人と同じく私も、全くの異分野である経理部に異動することとなりました。この異動先で期せずして「入金計上」STEPを担うことになります。)
本稿では、業務の内容には言及しません。替えて以下『業務フローチャート』につき、私の「学び」の経緯を述べることで、その現代的有用性を述べたいと思います。
学びのキッカケ:
~人から人へ、本から人へ、すべてアナログ~
「❝温故知新❞の実践」でもご案内いたしましたが、生産管理職の中途採用募集に際し「日本は❝加工貿易立国❞生産管理のプロになりたい」と応募し希望どおりの生産管理部に配属されました。そこでは、「社内研修(義務研修/自主研修)」「職場OJT」の他、自己費用で「中小企業診断士(鉱工業)通信教育」「多くの書籍購入」等々多くを「学び」ました。(生産管理のプロ、まずは中小企業診断士(鉱工業コース)の資格取得を目標に掲げて、勉学に励んでいました。)
「業務フローチャート」作成に関しては、「職場「OJT」が発端でしたが、興味をもち「事務管理」という雑誌(定期購読)や、『KJ法』などの書籍からの知識・技能の修得に積極的につとめ、他部門との業務連携すなわち『協働』のための「具体的手順、その描き方」の技術(当時は『事務工程分析フローチャート』『部門間業務連関図』といいました)を独力で書けるようになりました。
この技能は、その後の自己研鑽(『経営実践講座』『リーダー能力開発講座』(いずれもダイヤモンド社)、多くの書籍読破)等で磨きをかけ、その後就いた販売/コンサル営業/経理の現場業務において学びの効果を発揮します(下記「アナログからデジタルへ」※[コラム]をご参照ください)。(経理では、管理図の作成方法等、その都度都度に学びの補強を実施)
上図と下図は同じフローチャートですが、目的(着眼点)を異にしております。⇒このように『業務フローチャート』は多面価値を有します。(『業務フローチャート』とは、「現場業務」を面で記述したものであり、建築現場における基礎と同じ、事業活動を面で支えます。⇒『自律と協働』により、部分そして全体が一段と強固となります(部分最適、全体最適を実現します)。
アナログからデジタルへ
※[コラム]当時(生産管理部時代1970年代)は、上に記載しましたが『事務工程分析フローチャート』と言われておりました。コピーも青焼きの時代、青焼きを大量に作成し関係部署/関係する人すべてに配布しておりました。⇒一人1台PCなど存在しないすべてがアナログの時代でした。しかし、私の経理部所属時(2002年~2009年)、そして今(2020年代)は、『システムチャート』(リーン生産方式(元はトヨタ式生産方式)では『バリュー・ストリーム』マップ)などといわれたりします)。当然にシステム化(ネットワーク上で共有化)され(デジタル化され)ています。
尚、2000年初頭(2002~2006年)作成の上図も下図も表計算アプリケーションであるエクセルで作成したものです。それから、20年経過した、現在においては、IOT/ビッグデータ、そして今AI/DX、デジタル化に立ち遅れた日本、DXによる生産性向上が命題といわれます。
「生産性向上のためには、デジタル化をすすめなくてはならない。」⇒確かにそうなのですが、今一歩立ち止って、自ら(自事業)の『目的』『内部環境』『外部環境』を考えることが必要と考えます。
『目的』『内部環境』『外部環境』によって採用すべき『手段』は変わる!
『目的』によって採用すべき『手段』(学ぶべき)『術』)は異なります。「『外部環境』のどこに・どのように対応するか」によって、また、「『内部環境』の整え方、すなわち『手段』(技術)を学びどのように『内部環境』を整えるか、多くの場合強化する」その手段を獲得するため、学び(『術』を取得・活用し)ます。 すなわち、デジタル化は『目的』を実現する一手段なのです。⇐⇒『目的』によって手段の有り様(アナログかデジタル化、またアナログもデジタルも、その有り様システム(しくみ))は変わります。
<ご参考:反証思考>私は、エクセルやCADを使用せずとも。手書きで『業務フローチャート』を作成できます(図面も正確に描けます)。また、PC画面上で見るより、プリンター出力し紙で見る方が、見やすい。(私の内的環境=視覚機能は老眼ですから)。・・・現場を共通とする2,3人『メンバーがすべて内部環境に属する場合』の協働作業であるなら、この紙面で十分(むしろアナログが有効)でしょう。
否、むしろ、このようなアナログで協働化する(直接、人と人が接する)方が、信頼性も高まり生産性も高まるでしょう。⇒一方、外部との協働には、デジタル化による協働化が威力を発揮するでしょう。
⇒すなわち、『手段』を選択する場合、上に述べましたように、『目的』『外部環境』『内部環境』を十分に吟味し、『目的』実現に比較優位な『手段』を選択をすることが必須となります。(競合がある場合、競合優位な『手段』を選択することが生き残る必須戦略となります。)
※末尾に【まとめ】ますが、本学び(2)のケース(他部門/多くの人との協働化が必要)では『目的』は入金計上の早期化であり、『目的』と連携・協働する『外部環境』『内部環境』を考慮し、「デジタルネットワーク」にこの『業務フローチャート』を乗せ、「業務を見える化」(担当者一人一人が何を行うかを明確に)し、『目的』実現に効果を発揮しました。
【まとめ】DXは業務効率化のためのみに非ず!
~『速さは力なり』、『力はキャッシュを生む』!ただし、・・・~
本稿学び(2)『業務フローチャート』作成・活用による『目的』「入金計上」早期化は、キャッシュの回転率UP⇒収益向上に寄与します。⇒こちら「回転率UP」をご参照ください。
DXを業務の効率化のため、とのみ理解している方が多い中、ようやく、「キャッシュの回収(資本回転率)が収益向上には欠かせない必須条件である」と理解される方が増えてきました。できる限り、その事例もご紹介したいと考えております。(もっとも、本サイトにご来訪いただいている個人事業者、小規模事業者におかれましては、当たり前のこと、大企業の経営者にして、ようやく目覚められたという表現の方が適切と思います。ただし、しかも、東証から促されてというのが実態ではないか?・・・紙上からはそう読めます。⇒回収した資本を次なる新事業開発/新製品生産戦略のために、すなわち、どこに投資するかが、本来経営の核心であるはずですが、この数十年そのような思考にはなっておりませんでした(これは紙上からは読むことは出来ません)。⇒もっとも新事業開発戦略は軽々に公開するものではないため、虎視眈々と進めている可能性はありますが、・・・危惧されるところです。 《本稿の【まとめ】にあたり原田2024/05/19記》
ご参考:「ものづくり」の再定義が必要ではないか?
私見ですが⇒日本の製造事業者、「ものづくり」の再定義⇒自社の「経営目的(「パーパス」)の明確化」から戦略を練り直す時代にきていると考えられます。この根拠(実証事例等)もできる限り、ご案内したいと考えております。
※当サイトの「ものづくり」の定義(2023/11/24現在)を公開します。こちらからご覧ください。