「三方よし」を表現する水芭蕉の三葉です。

読書メモ:『歴史の進歩とはなにか』


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~『歴史の進歩とはなにか』(市井 三郎著/岩波書店、1971年10月20日第1刷発行)(以下「本書」といいます)~

本書を精読し「読書メモ」としました。哲学書なので(筆者もそうですが、多くの哲学者、思想家が登場し)難解でした。したがいまして、以下「はじめに」の方針で「まとめる」こととしました。ご高覧くだされば幸いです。

はじめに

本書は1971年の発行であり、本年は2026年。55年の時が流れ(歴史は進行し)ております。したがいまして、問題の背景である環境(「事実前提」)に大きな差異があります。(「システム思考」における「問題」とは、「目標」(『目的』)と現状(「事実前提」)とのギャップです。)

したがいまして、「事実前提」(問題の背景である環境)に大きな差異があること自体の「環境の実態」を取りあげる必要があるように感じられるのですが、これは捨象することにします。その事由は、「人が自らの置かれた《環境の中》で、いかに生きるべきか」という問題(課題認識)は、「歴史のどの時点においても変わるものではない」、「人は《歴史の経過の中》を目的を不断に追求しながら(歴史の進歩を考えながら)生きるものである」と考えられるからです。(「目的なくして今を生きていればいいのだ」という人も存在するかも知れませんが、《環境外に》かつ《歴史の経過の外》に生きる人は多くはないと推定されますので、これも捨象することとします。

また、本書の筆者市井三郎氏は学識者(哲学者)以下「筆者」といいます。)であり、当サイト運営者原田豊(以下、「運営者」といいます。)は法務(契約)分野の実務者(約40年間は、民間企業の多様な業務分野の実務者)であり、歴史(社会)をみる視座(立ち位置)は当然に異なります。しかしながら、これも「歴史の経過」の前には、筆者もいうように「形式論論理的法則」で考える(哲学思考)か、「経験的法則性」で考える(現場思考)か、の相違であって、本テーマ「歴史の進歩とはなにか」について、双方(筆者と運営者)共に、一個の人間として、歴史(社会)に求めるところのものは、ほとんど何らの異なるところはないと考えて良いと思われるからでもあります。結論を先に述べてしまいましたが、その結論に至った事由は、以下のような切り口からの「まとめ」(報告)をご覧いただくことで、ご了解いただけるのではないか、と思っています。(つまり、筆者と運営者の主張・見解の相違をあきらかにすることが、まず必要であり、その実践をすることが、次なるステップに進む前提を提供することになる。)

なお、筆者は第7章人間史のパラドックス(1)-根本的二律背反-の最後にこう述べています。「人間の社会・歴史は、形式論的諸法則だけが支配する世界ではない。社会的パラドックスをして真のパラドックスたらしめている主たる原因が、人間社会の経験的法則性にあることを、決して見落とすことはできないのである。」と(P172)。ここが核心ではないか、と運営者は思っています。

したがいまして、後段において、ここを引用して運営者の思い【「科学技術の進歩(「AI」)」と「人の『目的』意志」との関係】を述べています。

〔本読書メモの記載方針〕

1以下3つの切り口からまとめることにしました。(2026年5月28日現在)。

2しかしながら、筆者の思いは深く、運営者は真意を読み誤っている可能性があります。不断に見直し追加修正を行います。

3また、歴史の進行(2026年5月28日以降)の最前線情報(現場目線の情報)を記載していきます~現実問題を解決することが究極の『目的』とする運営者の『パーパス』(理念、ミッション、ビジョン)から、「出来る限り間違いのない情報」を追加記載していく所存です。

4筆者の主張の記載ページを(p )として示すとともに、その下段に【運営者の所感】として、運営者の思いを記載します。

1.筆者と運営者との共通点:

(ただし、相違点も含みます。)

【1】 したがって人間社会の規範倫理学は、「快」の総量をふやすことを指向するよりはむしろ、それぞれの時代に特有な  典型的「苦」(痛)の量を減らす、という方向へ視座を逆転すべきではないのだろうか。(P139)              

【運営者の所感】同感である。二十数年前になるが、わたしの自ら選択したコンサルティング(問題解決提案型)営業時代、このように考えていた。⇒「問題解決とは、(まずは)現状の「不満、不便、不安、不…、非効率、非… 」を↓する(減らす)こと。」 ご参考:「ソリューション提案のコンセプト」

ただし、まずは)としたのは、上のコンセプトの図から明らかなように、「不」や「非」が無くなる分岐点を超える時点以降は、「快」を目指す。すなわち「快」を指標とする「目標」を設定し「ビジョン」実現を目指すことで良い、のではないか?(というよりこれが「ソリューション」(事業)の真価(歴史の進歩につながる活動)ここが筆者とは異なるところです。尤も「誰のため」の「ビジョン」実現なのかが問題ではあります。わたし(原田)の場合、「地域住民」の「快」「便利」「安心・安全」を実現することを「目標」(『目的』)に設定していました。(2026.0524追記)。

2.筆者と運営者との相違点:

(ただし、同意する事柄(言葉)もあります。)

【1】 (7)「歴史の進歩」と称されることには、このように執拗な逆説性がつきまとってきた。そのような事態に、自覚的に取組み、逆説性を少しでも減らすことによって不条理な苦痛を真に減殺する方策が、新たに探究されねばならない。だが、人類の過去の歴史に見られる程度にせよ、人間の不条理を軽減する試みは、つねに創造的な苦闘を必要とした。(8)だから、ただ単に苦痛一般をなくしようという理念は、みずからを実現するために必要な創造的苦闘をも(理論的に)否定することになり、論理的自家撞着におちいってしまう。不条理な苦痛を軽減するためには、みずから創造的苦痛をえらびとり、その苦痛をわが身にひき受ける人間の存在が不可欠なのである。                 (P147~148)

【運営者の所感】 (7)・・・・創造的苦闘を必要とした。(8)だから・・・・みずから創造的苦痛をえらびとり、その苦痛をわが身にひき受ける人間の存在が不可欠なのである。と筆者はいうが賛成しかねます。異論があります。異論とは、この言葉の選択です。「創造的苦痛」には同意できません。

しかしながら、「創造的」な「 」が、必要であることには同意します。「  」に入る言葉は「苦痛」ではないのです。「生きがい」や「やりがい」が入ります。であるがゆえに運営者は「新しい契約」を提案しています。

また、筆者は次の3.【3】の中で、「連帯」が必要としています。これも同意しますが、創造的活動が、「苦痛」であったなら、「連帯」する人は無くなるでしょう。なぜなら、1.にも述べましたが、「苦」を減らす(避ける)のが、人間の本性ですから。このことからも「創造的活動」は「苦」ではなく「生きがい」「やりがい」に属するのです。

3.筆者と運営者、及び、人間に共通の課題:

(筆者は最終章で、主張をまとめています。順に記載します。万人に共通の課題といえるでしょう。~運営者の所感~)

【1】これまでの思想史で、なんらかの意味で❝歴史の進歩❞とみなされたことの多くは、逆説的なもの、つまりたかだか、先行する時代のマイナスをプラスに転じた側面とともに、先行する時代にはなかった新しいマイナスをも生じる逆側面を、かならずともなうものであった(第七、八章)。

そのパラドックスをこえるには、過去の❝進歩❞を導いた諸理念をもこえる必要がある。

わたしの提案した価値理念(第6章P146-148)は、その試みへの一つの仮説なのであった。(P207)

【2】わたしのいう意味での、❝不条理な❞苦痛――つまり各人が、自分の責任を問われる必要のないことから負わされる苦痛――を減らさねばならない、という価値理念は、西洋近代の果てに西洋思想がゆきついた実存的❝不条理性❞の概念を、一面でより明らかにしたつもりである。とまれ歴史は、理念の変革によってだけ動くものではない。だから人類の未来史が、わたしのいう理念を実現する方向へ、かならず❝進歩❞するなどといっているのではない。パラドックスをよりよく超克した理念に眼覚めて、人間が新しい歴史創造への努力をするとすれば、ようやく人類の歴史は❝進歩❞へ近づく可能性をつかむだろう。その可能性は、よくいって五分五分であるように思う。   (P209)

【3】人がそれぞれの生涯に生きる価値(生きがい)とは各人がまったくコントロールしえないみずからの出自という❝運命❞のもとで、各人がそれぞれ特有に負わされている❝不条理な苦痛❞――より実在する問題性――を、どう処理してゆくかいうことにかかっている。

【運営者の所感】ここでは、筆者は「生涯に生きる価値(生きがい)とは、・・・・・・❝不条理な苦痛❞を、どう処理してゆくかということにかかっている。と、いっているのであるから、上記2.において運営者が同意しかねる、としたのは、筆者の真意を読み損ねているかも知れません。(2026年5月29日 追記)

そのかぎりにおいては、まさに人間はどんな文化パターンに生まれ育とうとも、その❝不条理❞において意外に平等であるのだが、多くの人々は、自分一個の❝不条理な苦痛❞を処理することで、精一杯となる。それを責めるつもりはもうとうない。だが人間が、ムレ(群)をなして生活している以上、❝不条理な苦痛❞の処理には、連帯が必要となる。

まさに人間かんの連帯が、自分一個の不条理な苦痛の処理にも必要であるという認識が生れたならば、つぎのことを認識するまであと一歩といわねばならない。

【運営者の所感】 同感!ですから、運営者が提案する「新しい契約」であり、【別紙】【3】(協働施策) が必然となるのです。

 前述しましたが、上記2.において運営者が同意しかねる、としたのは、筆者の真意を読み損ねているかも知れません。(2026年5月29日 追記)としました。⇒これは間違いなく読み損ねです。なぜならば、次項【4】でも「連帯」をいっているのですから。したがって、同時に、運営者は心強く思いました。この「新しい契約」の提案をさらに拡大しよう、と。(2026年5月30日 追記)

【4】自分ではなくて他の人間が、自分が負うているのと同様の❝不条理な苦痛❞を軽減しようとして、自分に連帯を求めにくることが必然となる、という認識なのだ。 (P210)

【5】地球上のどこであれ、各人が❝運命❞的に負わされている❝不条理な苦痛❞の性格は、地域により人々によって多大にその質を異にしている。ここには、究極的な❝不平等❞が厳存している。                          (P211)

【6】・・・・・・その苦痛の性格が、地球のうえの各地で、その質を異にしていることは明らかなのだ(不平等という点でふとく共通しているのだが・・・・。)どのような人種の一員として生まれ、どのような文化パターンに鋳こまれて育つか、という次元のちがいからくる❝不条理な苦痛❞の不平等は、もし人類歴史(の総体)に真の進歩がなされるべきであるとすれば、第一に減殺されねばならない最大の問題であろう。(P212)

おわりに(【自己省察】)

拙い読書メモをここまでお読みいただき、ありがとうございました。

上記〔本読書メモの記載方針〕に記載いたしました※3を次に再掲します。

※3また、歴史の進行(2026年5月28日以降)の最前線情報(現場目線の情報)を記載していきます。~現実問題を解決することが究極の『目的』とする運営者の『パーパス』(理念、ミッション、ビジョン)から、「出来る限り間違いのない情報」を追加記載していく所存です。

本サイトの読者殿におかれましては、忌憚のないご意見を、特に【現場】情報をご連絡ください。現場の「苦」を減らす「連帯・協働」を、実践しましょう。

【特記メモ(ご参考)】本読書メモを「まとめる」には約1ヶ月を要しました。(文書作成ソフトWord52頁を要しました。)因みに『歴史の進歩とは?』に記載しましたように、Googleへの「歴史の進歩とは?」の質問にAIはこう答えており、参照書として、本書を紹介しているのです。(⇐クリックしてご確認ください。)しかし、AIは決して上記(1.2.3.の内容)の案内はしていません。

主体的に(自己の意志をもって)質問しない限り、AIは要約しか提供しません(当然ではありますが)。

したがいまして、AIは表層の形式的な対応に終始(現行の法規制やルールの中で処理)することになります。⇒創造的ないわゆる「歴史の進歩」に何ら貢献しないでしょう。なぜならば、「歴史の進歩」とは、筆者もそして運営者も同じく認識しているように「創造的な人の生きがい」(人の自律『目的』)に関わるテーマなのです。

それはすなわち、筆者がこういっているところを想起させます。⇒「人間の社会・歴史は、形式論的諸法則だけが支配する世界ではない。社会的パラドックスをして真のパラドックスたらしめている主たる原因が、人間社会の経験的法則性にあることを、決して見落とすことはできないのである。」と(P172)。

AIは形式論的諸法則だけに依拠しています。日々の人間の経験的法則性(心の動き)には一顧だにしません。(運営者2026年5月30日追記) 【補足】AIは有用ではあります。しかし、その本質から、誤り(行き過ぎ、やり過ぎ)が発生します。したがって、それを防止・修正する「しかけ」が必要です。その「しかけ」とは「人間の心から発する意志力」です。いいかえれば『目的』形成・修正力ともいえると思います。

ですから『目的』が重要(必須)となります。

自律した個人が創造的生きがいを持って『目的』を同じくする他者と協働活動をすることによって「よりよい社会」が実現するのです。⇒これこそが「歴史の進歩」ではないでしょうか。(少なくも「歴史の進歩」の第一歩となるでしょう!)

大変大きな学びを得ました。本読書メモ作成に要した1ヶ月は、大きな財産を与えてくれる時間となりました。

(2026年5月29日 運営者 原田豊)

(2026年6月04日 運営者 原田豊)

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